2017年6月に、関西方面へ所用で行った際にふと思い立って見学してきました。本当に思いつきだったので京都駅に着いてから電話予約。幸い平日だったこともあってか「山崎ウイスキー館」の見学は可能とのことだったので行ってみることに。
ウイスキー館見学のつもりが棚ぼた的に蒸留所見学!
ちなみにウイスキー館というのは展示やショップ、有料テイスティングカウンターがある施設で、製造工程等は見ることができません。サイトを確認するとそれでも予約は必要とのこと。
見学ツアー名 | 所要時間 | 料金 |
山崎蒸溜所ツアー | 80分 | 1,000円 |
THE STORY OF YAMAZAKI ~シングルモルトウイスキー山崎誕生の物語~ | 100分 | 2,000円 |
山崎ウイスキー館見学 | ー | 無料 |
京都駅からJR東海道本線にて約15分、山崎駅へ。
ローカル感漂う駅舎。京都から伊丹空港へ向かう途中なので、伊丹空港利用の際は観光の締めくくりに寄ることができる場所だと思います。
駅に降りてから気づいたんですが、ここは羽柴秀吉と明智光秀がぶつかった山崎の戦いの舞台でもあったんでした。
ちょっと興奮して「大山崎町歴史資料館」なる場所に寄り道。
町の公民館の一角に展示を詰め込んでいるといった具合で、「歴史資料館」というには少し物足りない印象でした…。
蒸溜所は駅を背にして右方向。ちゃんと案内が出てるのでわかりやすいです。
5〜10分ほど歩くと踏切が。その先に蒸溜所が見えてきます。
踏切を渡るとまずは大型のポットスチルがお出迎え。
もう少し進むと見慣れたロゴマークが。早速受付に行ってみると、「もうすぐ蒸溜所ツアーが始まるんですがキャンセルが出たのでそちらにも参加できますよ」とのこと。飛行機の時間が迫っていたので少し迷いつつもせっかくの機会なんで参加してみることに。
ここが各種ツアーの集合場所であり、ショップやテイスティングも楽しめる山崎ウイスキー館。本来はここだけ見る予定でした。
時間になるとナビゲーターの方から蒸溜所と見学の流れなどの説明があり、その後施設内への移動となります。
仕込・発酵室
まず最初は仕込・発酵室へ。
上の写真が仕込槽。発芽・乾燥させ麦芽となった二条大麦を仕込水とともにこの中に入れます。麦芽内の酵素の働きでデンプンが糖へと分解された後、それを濾過して澄んだ麦汁が作り出されます。
仕込槽でつくられた麦汁は酵母を加え、発酵槽へと移されます。この過程で先ほどの糖が今度はアルコールと炭酸ガスに変化し、ウイスキー独特の香味成分をもつ「もろみ」となります。
山崎蒸溜所では様々な味わいの原酒をつくるため、木桶発酵槽とステンレス発酵槽と、2種類の発酵槽を使い分けているとのこと。
仕込・発酵の過程だけあって、室内には独特の匂いが漂ってます。
蒸溜室
そして次は蒸溜室へ。
発酵にてできた「もろみ」をポットスチルと呼ばれる蒸溜釜で2回蒸留(初溜・再溜)を行い、アルコール度数の高い「ニューポット」(無色透明のモルトウイスキー)を作り出す工程です。
できたばかりの「ニューポット」を目で確認することもできます。
ちなみに複数あるポットスチルは全て微妙に形が異なっており、これによってウイスキーの味も色々と変わるそうです。
見学用貯蔵庫
そして次は貯蔵庫へ。
できたばかりの「ニューポット」を樽詰めして熟成させる施設。樽の材質、大きさ、貯蔵場所など、条件の違いで様々な味わいに変化します。
これだけのウイスキー樽が並んでいる景色はまさに壮観!なにやら見てるだけでワクワクします(笑)
ここは見学用の貯蔵庫ですが、山崎蒸溜所には約百万樽のウイスキーが貯蔵されているそうです。
熟成年数の違いでの色の違いも見ることができます。
これは様々な樽の種類、大きさの説明を受けている場面。
これは1924年(大正13年)に樽詰めされた日本で最初のモルトウイスキーの原酒樽。とんでもなくレアな代物です。
2005年に販売された山崎50年が100万円で、オークションなどで数百万円に値が跳ね上がっていることを考えるととんでもなく価値がある樽ですね…。怖い(笑)
工場内の山道を歩きテイスティングへ
貯蔵庫をでるとそこには綺麗な清流が。これらの水が山崎の仕込みに使われているそう。
もう少し進むと敷地内に神社が。ここは椎尾神社(しいおじんじゃ)といって蒸溜所ができる前からあったもので、奈良時代の僧侶、行基(ぎょうき)が建立した歴史ある神社とのこと。長い歴史の中で荒れ果ててしまっていたものを、蒸溜所の建設に合わせて創業者鳥井信治郎が復旧したそうです。
ここで蒸溜所見学コースは概ね終了。次はいよいよテイスティングへ。
専用試飲スペースでテイスティング
ホワイトオーク樽原酒にワイン樽原酒、それらがブレンドされた山崎をテイスティング。
敷地内にはサントリーの創業者、鳥井信治郎(左)とその次男で、白州蒸溜所の開設者、佐治敬三(右)の像もあります。
これは操業当時に山崎蒸溜所で使用していたポットスチル。
「本邦ウイスキー発祥之地」の碑。
ウイスキー館に戻りお土産物色のはずが…
その後、ウイスキー館に戻りお土産物色…のつもりが飛行機の時間が本当ギリギリに迫ってしまい、ものの5分程度さらっと眺めて駅までダッシュ…。
次はもっと時間に余裕をもってまた来たいなと思いました…。
ウイスキー館に並んでいる過去の原種。
世界のウイスキーの歴史も学べます。
INFORMATION
Suntory Yamazaki Distillery / サントリー山崎蒸溜所
住所 : 〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5丁目2−1
電話 : 075-962-1423
URL : https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/